テキストサイズ

恋ばか

第33章 ~貴方だけを愛してます~

「退院した後…覚悟しといてね? 今の仕返しはちゃんとするから。」

「…………」

ヤバい…臣が本気で怒ってる…

「先生…俺、退院したくないです。」

「それは無理ですね。」

今度ばかりは、先生に助けを求めてもダメだった。

「境兄ちゃん!!」

「ぅおっと。」

臣と真中を押しのけて、春架が抱きついてきた。

「どうした?」

「ちょっと聞きたいことがあるから、こっち来て。」

「は!!?」

そう言うが早いが、春架は車椅子を押して廊下に出てしまった。

「ちょ、おい…」

「ここでいいや。」

臣達が追ってくるのがわかっているのか、春架はすごい急いでいるようだ。

「兄ちゃんにさ、俺と空さんのこと話した?」

「は? いや、話してないけど…」

「そっか…」

春架は納得したように頷くと、満足したのかまた部屋の中に戻った。

「春架君となに話してたの?」

「いや、別に…」

部屋に戻れば、また臣と真中がくっついてきた。

あぁ…めんどくさい…

「ほら、二人とも!! 境兄ちゃんが嫌がってるでしょ!!」

そんな俺の心境を察してか、春架は二人を引っぺがすと俺をベッドに寝かせてくれた。

「悪いな。」

「ううん。 なにか欲しいものある?」

欲しいものね…

「アイス食べたいかもな…」

「わかった。 じゃあ、買ってく…」

「僕が買ってきます!!」

「じゃあ、俺も行く。」

春架の言葉を遮ってそう言ったのは、真中と臣。

「じゃあ、亮さんも行って来て下さい。」

「なんで!!?」

あ、そういえば亮いたのか。

「あの二人が喧嘩しないように見張ってて下さい。」

春架…先輩をパシる気か。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ