
恋ばか
第33章 ~貴方だけを愛してます~
「ん、うまい。」
「よかった。」
感想を言うと、臣は嬉しそうに微笑んだ。
「あ、これ美味しい。」
「どれ?」
真中はトイレにでも行ったのか、部屋からいなくなっている。
「お、ほんとだ。」
「でしょ?」
アイスの交換をしていた春架が、俺の所にやってきた。
「境兄ちゃんのちょうだい!!」
「はいはい。」
飛びついてきた春架に、持っていたアイスを差し出す。
「これも美味しいね!!」
「よかったな。」
ほんと、無邪気な笑顔が可愛い。
「ありがと、境兄ちゃん。」
「「っ!!?」」
一瞬、なにが起きたのかわからなかった。
「春架っ…お前…!!」
「なっ…」
「なにしてるんですか!!?」
春架にキスをされたことに気づくのに、少し時間を要した。
「えへへ。」
「春架、お前…めんどくさいことに…」
「とりあえず…」
空がこちらに寄ってきたかと思うと、肩を掴まれた。
「返せ。」
「っ!!? アホ!!!」
近づいてきた空の顔を押し返す。
「春架君も、境のキス返して下さい。」
「え~、嫌です!!」
春架…完全に遊んでるな。
「先輩!! 僕ともキスしてください!!」
「お前はアホか。」
思いっきりキスをしようとしてきた真中の頭をグーで軽く…殴り飛ばした。
「痛い!!」
「あ、そういえば。」
臣をうまくかわしながら、春架が思い出したように手を叩いた。
