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恋ばか

第33章 ~貴方だけを愛してます~

「では、私もこの辺で。」

「え?」

みんなの行動に微笑みながら、先生はそう言って部屋を出て行った。

「…気を遣わせちゃったな。」

「…ぇ?」

どういうことが全然理解できない。

「俺たちが二人きりになれるように、気を遣ってくれたんだよ。」

「ぁ…」

そういうことか。

「境…」

「ん? なに?」

名前を呼ばれてそちらを見れば、臣の顔が目の前にあった。

「っ!!」

一瞬だけ近づいた臣の顔は、すぐに離れた。

「なっ…」

「これからもさ…」

驚いて声を上げる前に、臣によって遮られてしまった。

「今回みたいに喧嘩するかもしれないし、もしかしたら亮と留架みたいに離れることがあるかもしれないけど…」

「臣…?」

臣は俺の左手を持ち上げると、薬指にキスをしてきた。

「絶対に境のこと離さないから。 覚悟して。」

「臣…」

顔が一気に熱くなるのがわかる。

「バカ…急にそんなこと言うなよ…」

心の準備もなしに、そんなこと急に言わないでほしい。

「なんで?」

「……照れるだろ…」

俺の言葉に、臣は嬉しそうに微笑んだ。

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