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恋ばか

第4章 ~好きな人~

「…亮…」

「ん?」

俺が呼び掛けると、亮は立ち止まって、俺の目を真っ直ぐ見てきた。

「…そろそろ下ろして…」

亮に抱き上げられるのはいいが、校内でお姫様抱っこは止めてほしい…

俺の心境を見抜いたのか、亮が言ってきた。

「ん~…だって、担いだら変だし…この方が、腰も痛くないでしょ?」

「え?」

確かに、さっきから下半身の痛みがほとんどない。

(亮…俺の事考えて…)

「でも…誰か通ったら…」

「大丈夫。 今の時間はみんな部活で、校内にはほとんど人いないから。」

(うむ…確かに…)

俺が黙り込むと、亮は再びスタスタと歩き出した。

(ん? どこ行くんだ?)

亮が向かっているのは正門ではなく、裏門の方だった。

駅に行くには、正門から出た方が早くつく。

「ちょっ、亮…どこ行くんだよ?」

亮は立ち止まらずに、歩きながら答える。

「留架に言ってなかったけど…裏門に迎えの車来てるから、車で俺の家まで行こうと思ってさ。」

「…マジですか?」

「うん。 だって、そんな身体で電車乗れないでしょ?」

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