恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「そういえば、向こうはどうだったの?」
「楽しかったよ。」
本家に向かう途中の車の中で、俺はこの3年間のことをみんなに話した。
「へぇ~…そんなことがあったんだ。」
「うん。」
話が終わると同時に、本家に到着した。
「お祖父様!!」
車から降りると、お祖父様が玄関先に立っているのに気が付いた。
「ただ今戻りました。」
お祖父様の元に駆け寄りそう言うと、お祖父様は優しく微笑んだ。
「お帰り、留架。」
「はい!!」
少しすると、春架が遅れてやって来た。
「戻りました。」
「あぁ。」
その時、屋敷の中からお祖父様の秘書が出てきた。
「すまんな、留架。 せっかく帰って来たのに仕事が入ってしまって。」
申し訳なさそうに謝るお祖父様に、俺は苦笑しながら言葉を返した。
「仕方ありませんよ。 帰ってきたら、またお話ししましょう。」
「そうだな。」
お祖父様を見送り、春架と向き直る。
「亮たちは?」
「あそこ。」
春架が示す方向を見ると、四人は少し離れたところで雑談を楽しんでいた。
「……………」
「兄ちゃん?」
その光景を見て黙り込んでいると、春架が心配そうに声をかけてきた。
「どうしたの?」
「いや…」
「………?」
俺…本当に帰ってきたんだ。
「亮たち連れてきて?」
「うん。」
春架が小走りで四人の元へ向かっていく。