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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「鏡夜、見ちゃだめ。」

「にゃにゃ?」

鏡夜の目を隠し、俺は亮とソファに座った。

「もう、今日はしたじゃないですか!!」

「お前が悪い。」

春架は空の腕の中から逃げ出すと、俺の方へ逃げてきた。

「兄ちゃ~ん…」

「今回は、春架が悪いよ。」

助けてあげたいけど、空の気持ちがわからなくもない。

「ええ~…」

「春架、ほら来い。」

空が手招きしても、春架は空の方に寄ろうとしない。

「空、今は勘弁してあげて。」

「………」

春架の頭を撫でながら空にそう頼むと、空は不満そうに先ほどまで座っていた場所に腰を降ろした。

「ありがとう。 ほら、空の所に行きな。」

「……うん。」

さすがに反省しているのか、春架は急に大人しくなった。

「…で、なんで三人で出て行ったの?」

「ん?」

あぁ…亮は俺が春架と境に頼みごとをしてたのを知らないのか。

「二人に頼んでたことがあってさ。」

「頼んでたこと?」

亮には連絡を取ってなかったから、頼めなかった。

「うん。 鏡夜の恋人を探してほしかったんだ。

それに、鏡夜の行方も。」

「恋人…?」

手掛かりは、病院に入院しているということだけ。

「うん。 病院に入院してることは知ってたから、境と春架に探してもらったんだ。」

「病気なの?」

亮の言葉に首を振る。

「ううん。 事故に遭って、意識不明なんだって。

植物人間状態らしい。」

そう聞いた時、助けたいと思った。

鏡夜のために…

あの人が笑ってくれるように。

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