
恋ばか
第35章 ~おまけ2~
「将来、うちの家に大きな損害をもたらしそうだったからね。
早いうちに芽は摘み取っておかないと。」
偵察すべき会社の資料。
「お前、3年の間に随分変わったな。」
「そう?」
資料の入っていた会社は、すべて回った。
「中には役に立ちそうな会社もあったから、そことは交渉してきた。
まぁ…後の会社は、従わなければいつでも潰せるように準備はしておいたよ。」
「「…………」」
「兄ちゃん、なんかかっこいい!!」
変わった…か。
確かに。
3年前までは、他の会社を潰すなんてこと、考えられなかった。
「そう? でも…潰すって言っても、完全にじゃないけどね。
うちの会社の傘下に入ってもらうだけ。
まぁ、吸収合併だよ。」
その会社を潰したら、勤めていた人たちの生活が大変になってしまう。
そんなことはしたくない。
「多少は変わったけど、やっぱり根が優しいところは変わらないな。」
「そうかな?」
俺が変わったのは、亮のため。
自分のため。
亮と人生を一緒に歩みたいから…
安心して、なにも恐れずに。
だから…俺は…
「もう子供扱いはされない歳になったしね。
そろそろ会社の仕事を押し付けられそうだよ。」
「まぁ、それはお互い様だろ。」
邪魔な物を消してきた。
「…とにかく、俺は向こうでお金の稼ぎ方と、他の会社を乗っ取る術を学んできたわけ。」
「ふーん…で、資金は今どのくらい貯めたんだ?」
いくらだろう?
あれからいくら動いたかな?
