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恋ばか

第35章 ~おまけ2~

「鏡夜さん、びっくりするんじゃない? 兄ちゃんが新しい経営者だって知ったら。」

「さあ…どうだろうね?」

医者になってから、たった一ヶ月でこれほどの成績を上げるとはね…

「………問題ないな。」

これなら、藤堂望さんの手術費用を出しても、すぐに取り返せる。

「三神、お願いがあるんだけど。」

「なんですか?」

まずは、鏡夜の逃げ道を塞がないと。

「藤堂望さんを、うちの病院に移してくれない? できれば今日中に手続きを済ませてくれるとありがたいんだけど。」

「はい。 うちと仲のいいところに入院されているようなので、そんなに時間はかからないと思います。」

よし。

それなら、あとは資金だな。

「えーっと…」

たしか、鞄の中に入れてたはず。

あ、あった。

「………もしもし?」

『留架? どうしたの?』

探していた物を見つけると、俺はリチャードにまた電話をかけた。

「お願いがあって。」

『なに?』

俺は、鏡夜が来ること。

鏡夜の恋人のこと。

これから鏡夜に会うことを、手短にリチャードに話した。

「……と、いうわけで、その先生に連絡取りたいんだけど。」

『了解。 ちょっと待ってね。』

もうすぐ鏡夜来るな。

急がないと。

『あ、あった。 番号言うからね?』

「うん、お願い。」

リチャードが言う番号を、紙に書き留める。

「よし、ありがとう。」

『うん。 またね。』

電話を切ると、すぐに教えてもらった番号にかけた。

先生…俺のこと覚えてるかな?

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