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恋ばか

第1章 ~出逢い~

なんだろう…緊張してきた…

「桜木が好きだから。」

「…………はぁ!? い、今なんて…」

「だから、桜木が好きだから。 もちろん、恋愛感情で。」

小原は満面の笑みを浮かべてそんな事を言ってきた。

「す、好きって…お、おまっ、俺は男だぞ!?」

「だから? 男でも女でも関係ないじゃん。」

「会ってまだ1日も経ってないのに…なんで?」

俺の質問に、小原は少し微笑んで答えてくれた。

「桜木は覚えてないかもしれないけど… 俺が転校してくる3日前に、お前、友達と楽しそうにゲーセンで遊んでただろ? あの時、「あぁ、いいなぁ~」って思った。俺もお前をあんな風に笑わせてみたいって、今までにないほど強く思った。 たぶん、そのときからもう好きだったんだと思う。 そしたらさ、同じ学校で同じクラス、しかも席まで隣なんだもん、びっくりしたよ。 話してみたら本当に好きになった。
だからさ、俺と付き合って?」

俺はどんどん顔が赤くなっていった。

「ご、ごめん…む、無理だよ…だって、お、俺…その…」

「じゃあ、どうしたら俺と付き合ってくれる?」

ど、どうしたらって言われても…

「じゃ、じゃあ学年トップとって…?」

気が付いたら、そんなことを口走っていた。

「…わかった。 それができたら、俺と付き合ってよ?」

「も、もちろん…」

俺が頷くと、小原はにっこり頷いた。

「よし、がんばろ。 じゃあ、お昼食べよっか。」

「う、うん…」

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