
恋ばか
第37章 ~お慕い申し上げます~
「にゃ~!!」
「鏡夜君も、おはようございます。」
留架様に拾われた頃より、少し大きくなった鏡夜君。
「今、朝食をお出ししますね。」
「にゃん!!」
仕事が忙しい中で、鏡夜君が唯一の癒しだ。
「どうぞ。」
「にゃ~にゃ~。」
一通りやるべきことをやったので、一歩後ろに下がって、留架様達の食事が終わるのを待つ。
「失礼します。」
食事の途中で、執事が入って来た。
「三神さん、ちょっといいですか?」
「どうしました?」
今日も朝から忙しいな。
「これがアメリカから届きまして…」
「あぁ…」
それは、留架様に頼まれて調べていた件の書類。
「ありがとうございます。」
「いえ。 失礼しました。」
封を開け、中身を確認する。
「…これは…」
と、もう一つ。
藤堂望さんの現状。
「…………」
留架様がこの書類を読んだら、きっとすごく喜ばれるだろうな。
「にゃ?」
少し笑っているのがわかったのでしょう。
鏡夜君は不思議そうに首を傾げた。
「朗報ですよ、鏡夜君。」
「にゃにゃ?」
「ふふふ。」
久しぶりの、いい知らせですね。
「ごちそうさま。」
「ごちそうさまでした。」
書類を胸ポケットにしまい、食事が済んだお皿を下げる。
