恋ばか
第37章 ~お慕い申し上げます~
「ジェシカはな…ずっとお前のことが好きなんだよ。」
「…………え!!?」
ジェシカ様はリチャード様が好き…?
それがどうして勘違いに繋がるんだ?
「でも…小さい頃から、ニックはよくジェシカと二人で出かけたりしてただろ?」
「それはな…お前が遊び人過ぎるから、ジェシカの相談に乗ってたんだよ。」
あぁ…それで、よく一緒にいたから、リチャード様はニック様がジェシカ様のことが好きだと勘違いなされたのか。
「ったく…ジェシカに迷惑かけるわ、晃一に変な勘違いさせるわ…お前、どんだけ迷惑人間なんだよ。」
「いや…それは…すみませんでした。」
なるほど。
納得。
「でも、三神のことは諦めないからな!!」
「はぁ!?」
そんなリチャード様を見て、ジェシカ様も微笑まれた。
「まさか、男の方がライバルになるなんて思ってもみませんでした。」
「え…っと…」
これは…え?
「ふふふ。 よきライバルとして、これから宜しくお願いします。」
「え、あ…はい。 お願いします。」
って…え!?
勝手にライバル認定されてないか?
「ふざけんなよ、クソ兄貴。」
「もっと兄に対して敬意を示せ!!」
「はぁ!? 生まれた時間、五分しか変わんねぇだろ!!」
仲がいいのか悪いのか…わからないな。
まぁ…喧嘩するほど仲がいいって言うし…
「晃一…今夜は、一緒に食事をどうだい? もちろん、その後は…」
「おい、変態エロ親父。 人の恋人を口説いてんじゃねぇぞ。」
「親父だけずるいぞ!! 俺も一緒に…いてっ!!」
はぁ…また喧嘩を始めてしまった。
「殴ることないだろっ!!」
「うるさい。」
「…………」
三人が喧嘩に夢中になっている間に、留架様達の所へ避難する。
「あはは。 三神も大変だね。」
「……仕事に差し障りのないよう、気を付けます。」
仕事に支障を出しては、意味がない。