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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「ったく…」

「!! ニック様…」

皆さんの輪の中から、ニック様は私を助け出して下さった。

ものすごく機嫌が悪いのがわかる。

「勘弁して下さいよ、Mr.黒澤。」

「ふふふ。 すみません、つい…」

黒澤さん、すごく楽しそうだ。

「…………」

笑顔が黒いのは…言わないでおこう。

「大体、お前も…」

「晃一、あんな顔は私以外に見せるんじゃない!!」

「これ以上ライバル増えたらどうするんだよ!?」

「は、はぁ…」

ニック様の言葉を遮って突っ込んできたのは、もちろんリチャード様とロバート様。

「お前ら、いい加減引っ込んでろ!!」

「「えぇ~。」」

「………」

また喧嘩ですか…

飽きないですね、ほんと。

「…三神さん。」

「?」

再び騒ぎだした皆さんを見ていたら、小内君が小声で話し掛けてきた。

「どうしました?」

「あの…これが…」

小内君が渡してきたのは、一通の手紙。

封筒には、『三神さんへ』としか書いてない。

「これは?」

「さっき、頼んでおいた書類が届く時間だったので、外に出ていたんです。

配達人の方に、書類と一緒に渡されて…」

書類と一緒に?

「それで…あの…ただの手紙ならいいんですが…その…」

なにか問題でもあるのだろうか。

「とりあえず、裏返してみて下さい。」

「?」

彼に言われた通り、封筒を裏返す。

「!!」

なるほど。

彼が気まずそうにしていた理由はこれか。

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