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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「カズは先生をやってるから、生徒からモテるんだろうね。」

「大半は生徒と思われる方からのお手紙でしたが…

女性の二割くらいは、おそらく教員の方かと。」

「………は?」

あぁ…今度は、境様の機嫌が悪くなっていく。

ほんと、この方々は見ていて飽きない。

「教員?」

「はい。 中、高関係なく、女性教員の方からのお手紙をいただいております。

もちろんそれだけではなく、事務を担当していらっしゃる女性職員の方や、清掃員の少し年上の方など…様々な方からいただいております。

中には、生徒の保護者からのものもありました。」

「…………」

ついでに、皆さんに送られてくる手紙の送り主を話していくことにした。

「留架様は同年代の方からのお手紙が大多数を占めておられます。
春架様は、年上の男性から人気があるようです。
境様と空様は年上の女性から。
亮様は年下の方と、同年代の方が多いようです。」

あ、そうだ。

配達員の方をお返ししないと。

「すみません。 引き留めてしまいましたね。」

「あ、いえ…そんな…」

私は名刺を取り出すと、裏にプライベート用の携帯の番号を書き込み、彼に渡した。

「これ、私の番号です。 よろしければご連絡下さい。 お話ししたいこともありますし。」

「え、あ、はい。」

「三神、ナンパしてるの?」

「やるね~。」

決してナンパなどではないです。

「違いますよ。 小内君、申し訳ありませんが、この方を玄関までお送りしてもらってもいいですか?」

「はい。」

彼は、今私が探している人材かもしれない。

「では、また。」

「え?」

私の意味深な言葉に首を傾げると、彼は小内君に連れられて部屋を出ていった。

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