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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「三神、今後届いた手紙は、全部燃やして捨てておいて。」

「はい。 かしこまりました。」

本当に燃やしたりはしないけど。

普通に捨てておこう。
差出人には申し訳ないが。

「失礼します。」

小内君か。 随分早いな。

「三神さん、静香様からお電話です。」

「静香様からですか?」

一体どうしたのだろうか。

今は、なにも用件はないはず。

「はい。 今夜予約したホテルのことで、相談したいことがあると。」

「わかりました。」

相談したいこと?

なにか問題でも生じたのだろうか。

「どうぞ。」

「ありがとうございます。」

小内君から受話器を受け取り、部屋を出た。

「お電話代わりました、三神です。 どうされましたか?」

『三神…どうしたらいいの?』

「なにか問題でも起きましたか?」

私が静香様の電話に対応している間…部屋の中では、皆さんが静香様についてお話ししていた。

「静香様だって。」

「今夜ホテル予約したって言ってたけど…まさか…」

もちろん、そんなわけないですよ?

「その静香って…誰?」

「さあ? 聞いたことないけど。」

「「…………」」

まぁ…自然と、小内君に視線が集まりますよね。

「さて…話してもらおうか。 ね? 湊さん?」

「え、え…っと…」

「失礼します。」

そこへ、電話を終えた私が戻ってしまった。

「三神さん…」

「? どうしました?」

安堵したような表情を浮かべた小内君。

私は、部屋の中でどんな会話が繰り広げられていたのか知らなかったので、首を傾げた。

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