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「大丈夫そうですね。」

「えぇ。」

この様子なら心配なさそうだ。

もう、私達がいなくても大丈夫だろう。

「帰りましょうか。」

「はい。」

席を立ち、受け付けで迷惑料を払ってホテルを出た。

「上手く行きそうでよかったですね。」

「えぇ。　さすがは静香様です。」

あぁ…そうそう。

何故、長男ではなく、次男の征二様を選んだのかということだが…

「本当に、ご長男の方でなくてよろしかったんですか？」

「えぇ。　征二様の方が、将来有望なんですよ。」

将来期待されているのは、征二様の方。

おそらく、会社を継ぐのもあの方だろう。

「だから…征二様の方が、女性に人気があるんですね。」

「そういうことです。　まぁ…静香様には、そんなこと関係ないでしょうけど。」

跡継ぎであろうとなかろうと…静香様は、征二様をお慕いし続けるだろう。

「さぁ、着きましたよ。」

車から降り、屋敷の中に入ると、使用人の一人がこちらに近づいてきた。

「三神さん、留架様がお呼びです。」

「わかりました。」

静香様のことを聞かれるのだろう。

なんて答えようか…

「静香様のこと…なんて説明しますか？ まだ、確実ではないですよ。」

「そうですね…なんとか誤魔化しましょう。」

確信を持ててから、留架様には報告したい。

「失礼します。」

「どうぞ。」

部屋の中に足を踏み入れると、小内君の動きが止まった。

「なっ…」

「よっ。」

この方は…たしか、小内君の…

「畔田君…」

恋人だ。