テキストサイズ

恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

『殴ってしまったの…っ…』

「「……………ぇえ!!!?」」

言葉を理解するのに時間を要する内容。

北条様を殴ったって…

一体何故…

『実は…』

私と小内君がホテルを出た後…

楽しい食事が続いたらしい。

静香様も、とても楽しかったとか。

『とても美味しかったですね。』

『はい。』

そして、食事が終わった時…

北条様の口から、信じられない言葉が出てきたんだとか。

『今日、このホテルの部屋を取っているのですが…どうですか?』

『え?』

それに、静香様はひどく困惑なさってしまったそうだ。

『で、でも…まだお昼ですし…』

『関係ありませんよ。』

ずっと憧れていた男性に誘われ、静香様は思わず頷いてしまった。

『…っ…はい…』

ここまで、北条様を殴るような要素は別にない。

その後、一体なにが?

『あ…の…』

部屋に着いて、静香様は少し冷静になられたそうだ。

『どうしました? 震えてますね?』

『わ、たし…その…初めてで…』

『え?』

冷静になって考えてみると、そういう経験がないことが恥ずかしくなったらしい。

『初めて…って…』

今まで男性とお付き合いしたことがなかった静香様。

小さい会社とはいえ、社長令嬢がそういう経験がないことに、北条様は相当驚かれたようだ。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ