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『!?　北条さっ…』

突然、静香様は北条様に押し倒されたらしい。

もちろん、静香様は相当驚かれた。

『あなたは違うと思っていましたが…結局、他の女性と同じですね。』

『え？』

この後の言葉が、静香様を怒らせてしまったらしい。

…で、なにを仰られたのかというと…

『親の会社を大きくするためだけに、好きでもない男に平気で抱かれるのですね。
しかも、初めてだなんて嘘までついて…』

『っ…』

自分自身ではなく、親の金を狙って近づいてくる人間ばかりを相手にしていたからだろう。

北条様は、女性を信じられなくなっていたのだ。

『っ!!』

『!!?』

それで、そんな侮辱を受けた静香様は、思わず北条様にビンタしてしまったとか。

しかも、手加減なしに。

『私はっ…そんなにいい加減な人間ではありません!!　馬鹿にしないで下さいっ!!!』

『…………』

感情が爆発してしまった静香様は、言葉を止めることができなかった。

『私は…北条様だからっ…だから…ッ…』

『静香さ…』

最終的には、涙をボロボロ流しながら、部屋を飛び出されてしまったそうだ。

「そんなことが…」

静香様は、御姉様に似て気が強い所が少々あるからな。

『ごめんなさいっ…せっかく、北条様と食事できるように手配してもらったのに…』

「大丈夫ですよ、静香様。　それよりも、お怪我はありませんか？」

静香様を責めても仕方のないことだ。

なにより、静香様が傷ついては意味がない。

『大丈夫…ッ…だけど…』

「よかった。　今からお迎えにあがりましょうか？」

『ううん…大丈夫。　御姉様に迎えにきてもらうから…』

それなら安心だ。

今は、誰かに側にいてもらった方がいい。