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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「…大丈夫ですかね?」

「心配しなくても大丈夫ですよ。 北条様は、礼儀正しい方ですから。」

とりあえず…この間に、留架様達に静香様のことを説明しに行こう。

「留架様達のお部屋に戻りましょうか。

静香様のことを説明しないといけませんし。」

「そうですね。」

近くにいた使用人に、応接間の前で待機するように頼み、小内君と留架様の部屋に向かう。

「失礼します。」

「どうぞ。」

扉をノックして、部屋に足を踏み入れる。

「申し訳ありません。 遅くなりました。」

「構わないよ。 それで…その、静香様のこと話してもらえるかな?」

「はい。」

私が頷くと同時に、小内君が内ポケットから一枚の写真を取り出した。

「この方が、清水静香様です。」

「へぇ…綺麗な人だね。」

皆さんが写真を回してる間に、静香様についての説明を始める。

「静香様は、桜木グループの末端の会社である『清水薬品』の社長令嬢です。

そして…かなり遠縁になりますが、静香様はれっきとした留架様のご親戚です。」

「親戚!?」

私も家系図を見て驚いたのだが…

静香様は、留架様や春架様の遠縁に当たる親戚だった。

血が繋がっているのであれば、話が進めやすい。

「はい。 将来のことを考えると、北条グループは傘下に入れておいた方がよろしいかと思いまして…

桜木の家から一番相応しい者を捜していたところ…静香様を見つけました。」

「…で、上手く婚約まで話が持っていけたら、完全にうちの傘下に入れようとしてるわけね。」

「はい。」

話を聞き終えた留架様は、納得したように頷かれた。

「そういうことか。 結果は?」

今回のこと…失敗していたら、大変なことになっていたな。

「大当たりです。」

「ふふふ。 さすがだね。」

特に、留架様の機嫌が。

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