恋ばか
第37章 ~お慕い申し上げます~
「じゃ、お休み~。」
「お休みなさいませ。」
留架様のお部屋の電気を消し、扉を閉めようとした時、留架様に声をかけられた。
「あ、そうだ。 三神、お願いがあるんだ。」
「お願い…ですか?」
仕事の話だろうか。
「うん。 あのね…みんなで、温泉旅行に行きたいんだけど…」
「皆様でですか? それは楽しそうですね。」
温泉旅行か。
「だから、その…」
「わかりました。 旅館の手続きなど、こちらで済ませておきます。」
留架様の言いたいことはわかる。
私の言葉に、留架様は嬉しそうに微笑まれた。
「へへへ。 ありがとう。」
最近、留架様は働きづくめだったからな。
たまには休暇もいいだろう。
「お休みなさいませ。」
「うん、お休み。」
留架様のお部屋を出て、自分の部屋に戻ろうとした時だった。
「おい。」
「!!」
ニック様に、引き留められたのは。
「まさか、そのまま自分の部屋に戻ろうとしてるんじゃないよな?」
「いえ…その…」
してました。
なんて、正直に言えるわけない。
「ん?」
「…っ…」
壁に追い込まれ、逃げ場がなくなってしまった。
「も、し訳…ありませ…」
「俺から逃げられるわけないだろ?」
それは…はい。 重々承知しております。
「来いよ。 たっぷり犯してやる。」
「ニッ…ク…様…」