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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「あ、そうだ。 それで思い出した。」

「?」

あくまでも、私はこの家の執事。

主人の命令とはいえ、屋敷を数日空けるなど…

「後で湊さんと一緒に来て。 大事な話があるから。」

「? はい。 わかりました。」

大事な話…?

特に仕事などはなかったはずだが…

「じゃ、後でね。」

「はい。」

まぁ、いいか。

後でお部屋を伺えばわかることだ。

「あ、三神さん。」

「おや、小内君。 おはようございます。」

「おはようございます。」

ちょうどいいところに。

「ちょうど今、春架様と境様がお見えになられましたよ。」

「ほんとですか? では、玄関まで行きましょうか。」

小内君と玄関ホールに出ると、ちょうどご到着なされたところだった。

「あ、三神だー!!」

「おはようございます、春架様。」

「お、湊さんもいるじゃん。」

「境様、おはようございます。」

体の調子が悪いこと、バレないようにしよう…

「留架様がお待ちしてますよ。」

「わかってるって。 話があるからって、朝っぱらから呼び出されたからな。」

「なんなんだろうねー。」

朝早く呼び出されたからか、境様の機嫌が悪い。

「ったく…こっちは寝不足だってのに…」

「寝不足になるくらい、昨夜なにしてたの?」

…まぁ…理由はあれだろう…

私も寝不足ですし…

「三神も寝不足みたいだね~。 そんなに頑張ったの?」

「………聞かないで下さい。」

春架様は楽しそうだ。

少し、羨ましい。

「さぁ、行きましょうか。 留架様を待たせていますから。」

「だな。」

「うん。 あんまり待たせると、兄ちゃんうるさそうだしね。」

「別にそんなにうるさくないと思うけどね。」

「「!!」」

あぁ…待たせ過ぎてしまったか。

「兄ちゃん…」

「うるさい兄で悪かったね。」

「い、いや…」

ん? そうだ、今日は三時に配達員の人に来てもらうことになっているんだった。

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