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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「三神、行こう。」

「あ、はい。」

「に、兄ちゃ~ん…」

機嫌が悪くなってしまった留架様の後ろを黙ってついて行く。

「兄ちゃん、ごめんって~。」

「ふふふ。」

少し後ろから慌ててついて来る春架様を見て、見えないように笑われた留架様。

遊ばれているのか…

「亮、お待たせ。」

「遅かったね。」

部屋に戻ると、皆さんが部屋に入ってくる間に、お茶の用意をした。

「それにしても、大事な話ってなんでしょうね?」

「さあ? 皆さんで温泉旅行に行くことではないでしょうし…」

まぁ、大事な話ではあるが…

小内君をわざわざ呼ぶ理由はあるのだろうか。

別に、後で私が説明すればいいし…

「…で、話ってなんだよ? こんな朝っぱらから呼び出しておいて、どうでもいいことじゃねぇだろうな?」

「ちゃんと大事な話だって。 朝早く呼び出したのは、悪いと思ってるけど。」

少し不機嫌な境様は、次の瞬間には飲んでいた紅茶を吹きだしてしまった。

「みんなで温泉旅行に行こうよ。」

「「はぁ!!?」」

まぁ、急な話だし、驚くよな。

「最近仕事に追われてゆっくりできてないし、久しぶりにみんなで遊びたいしさ。」

「行きたい行きたい!!」

「確かにそうだけど…急に言われても…」

「その点はご安心下さい。」

困ったような表情を浮かべる境様に、にっこりと笑顔を向けた。

「黒澤様に境様のご予定を確認させていただいたので、日程は問題ありません。」

「は!? 臣っ…いつの間に…」

「昨日の夜。 三神君から連絡があったんだよ。」

ちなみに、春架様の予定も確認済みです。

「ですから、安心して下さい。」

「…仕事が完璧過ぎて何も言えないけど…まぁ、サンキュ。」

皆さんはわかってると思いますが、小部屋を借りるなんてことはしてませんよ?

もちろん、棟ごと借りてます。

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