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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「あ、そうそう。 みんなにはあんまり関係ないんだけど、ちょうどいいから話しちゃうね。」

「「?」」

でも、それだけなら私と小内君がここにいる理由は…

「三神と湊さんには、俺の秘書になってもらうから。」

「「…………はい!!?」」

秘書!? 私と小内君が!?

「留、留架様…一体、なにを…」

「言っとくけど、冗談じゃないからね?

三神と湊さんには、結構俺の仕事を手伝ってもらってるから、もう執事は辞めて、秘書になってもらった方がいいかなって。

その方が仕事に専念できるだろうし、俺も遠慮なく仕事任せられるしさ。」

「お前、今まで以上に仕事任せる気かよ。」

以前、留架様のお父様の秘書はしていたが…

まさか、留架様にそんな話を持ち掛けられるとは思っていなかった。

「もちろん、二人が嫌なら断ってくれて構わないよ。無理強いするつもりはないから。」

「「……………」」

私が…留架様の秘書…

まぁ、今までも似たような仕事はしてきたが…

「あ、の…」

「どうしたの? 湊さん。」

いきなり大きな話を持ち掛けられて、小内君は動揺を隠せない様子。

「どうして…僕なんかに…」

「湊さんだからだよ。 自分ではあんまり自覚ないかもしれないけど、湊さんって、相当仕事ができる人だと思うよ?

この短期間で俺をここまで信用させたんだから、もっと自分に自信持ってよ。」

確かに、小内君の能力は目を見張るものがある。

もしかしたら、私以上に仕事ができるかもしれない。

「し、しかし…留架様の秘書など、僕に務まるわけが…」

「湊さんが不安に思うのはわかってるつもりだよ。

でも、肩書と仕事が少し変わるくらいで、今までと内容はほとんど一緒だから。

秘書だから俺の行く所にはついて行かないといけないって思ってるかもしれないけど、海外とか行くこともあるし、その辺は三神に任せるつもり。

湊さんには今まで通り、三神の補佐をしてもらいたいんだ。

また三神が倒れたりしないようにね。」

「……………」

もう、あんなことは起こらないと思うが…

そこまで考えて下さっているのか。

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