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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「家の仕事を任されることも増えてきたし、俺達も前みたいに子供じゃない。

そろそろ、現実と向かい合わないとダメだと思う。」

「………そうだね。」

留架様の考えを聞いた亮様は、少し悲しそうに微笑まれた。

「それに…昔みたいに、海外に長い間行くわけじゃない。 会おうと思えばいつでも会える。

三年も離れてたのに大丈夫だったんだから、家が離れたくらいで俺達の関係は崩れたりしないだろ?」

留架様の言葉に、亮様はにっと笑って頷かれた。

「もちろん。 俺は決めたからね。 一生、留架を離さないって。」

「ふふふ。」

同棲しなくなると言っても…
車で三十分の距離だからな。

留架様がアメリカ留学なされた時より、全然距離が近い。

「あ、安心してね。 三神と湊さんを抜いた分は、ちゃんと次の人見つけてあるから。」

「さすがだね。 安心した。」

ん? ということは…

ニック様と離れてしまうということか…?

「それと…リチャードとニックも家においでよ。 俺がいなくなったら、亮の家に面倒見てもらう理由もなくなるんだし。」

「「当たり前だろ。」」

留架様は私の顔を見て考えを察したのか、そんなことを提案して下さった。

…よかった。

「みんないなくなっちゃうのか。 少し寂しいかもね。」

「静かになっていいんじゃない? 特に、リチャードなんて女の人連れて帰ってくることもあったんだし。」

そういえば…そんなことも何度かあったな。

留架様に怒られて、今は連れて帰ることはなくなったが。

「もう二度としないって。 俺は一途に生きるって決めたからな。」

「!!?」

リチャード様はそう言って笑うと、私の左手を掴んで手の甲にキスしてきた。

しかも、わざわざ手袋をはずして。

「おい!!」

「いてっ!!!」

…で、お決まりのようにニック様に殴られていらっしゃる。

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