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恋ばか

第37章 ~お慕い申し上げます~

「…い。 おい、晃一!!」

「!! あ、はい。 なんですか?」

いつか私はニック様の重荷になるのではないか…

そんなことを考えていたら、ニック様に声をかけられた。

「三神、大丈夫? ぼーっとしてたけど?」

「あ、すみません。 なんでもないです。」

「……………」

女性と結婚すれば、ニック様は普通の…幸せな人生を送れるはず。

私などが…

「ぅ、わ!!?」

傍にいたら迷惑しかかけない。

「ニックさ…んっ!!?」

「「!!」」

突然腕を引かれ、ソファに座っていたニック様の膝の上に倒れ込んだ。

驚いて体勢を立て直そうとしたら、ニック様にキスされたわけで…

「なにをっ…ンンッ!!」

なにがなんだかわからない。

どうして、急に…

「ニ…っ…ック様…ッ!!」

どうにかこうにかニック様を引き離す。

キスされるようなことはなにも…

「急に、どうし…」

「お前、また思考が変な方向に走ってただろ。」

「え…」

まったく自覚がない私を見て、ニック様は大きくため息をつかれた。

「はぁ…お前さ…俺がわざわざこれ付けた意味わかってる?」

そう言って、ニック様は私の左手の薬指を示された。

今は手袋をはめていて見えないが…痕のことだよな…?

「…………」

「…わかってなかったわけね。」

「…申し訳ありませ…んっ!!」

明らかに機嫌の悪くなったニック様は、またキスしてきた。

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