恋ばか
第39章 番外編~温泉旅行~
「朝食をお持ちしました。 どのお部屋にお運びいたしますか?」
「あ、隣の部屋で。」
留架様の言葉に、旅館の方は丁寧にお辞儀をして静かに襖を閉めた。
「ご飯届いたね。 食べに行こうか。」
「……留架様、申し訳ありません。 少し…小内君と二人きりにしていただけましか? 頭の中を整理したいので…」
「あぁ…わかった。 じゃあ、先に食べてるね。」
こんな状態で、朝ご飯なんて食べても味がわからないだろう。
とりあえず、いろいろ整理しないと…
「ほら、行こう。」
「うん!!」
留架様は私の言葉を快く承諾して下さると、春架様や境様を連れて部屋を出て行かれた。
「はぁ…」
「………み、三神さん…どうしましょう?」
とにかく…
自分の主人とあんなことをしてしまうなんて…
会長や、亡くなられた留架様のお母様にどう説明しようか…
「小内君…ちょっと、提案があるのですが…」
「? なんですか?」
「三神と湊さん、遅いね。」
「ねー。 なにしてるんだろう?」
小内君と二人きりにさせてもらうこと、早三十分。
そろそろ、留架様や春架様が心配なさってきた。
「俺、ちょっと様子見てくるね。」
「うん。 お願い。」
ほとんど朝食を食べ終えた春架様は、箸を置くと私と小内君の様子を確認しに、部屋を出て行かれた。