恋ばか
第42章 番外編~永遠の愛を~
「……架、留架。」
「ん…」
どれくらい眠ってしまったんだろう。
「ほら、スーツ脱がないと、しわになっちゃうよ。」
「亮…?」
目を開けると、大好きな人の優しい笑顔が。
「遅くなってごめんね。」
亮の手が、優しく俺を撫でてくれて…心地よい。 こんな穏やかな気分になったのは、いつぶりだろう?
「あ、そうだ。」
「?」
忘れないうちに…
ベッドから下りて、鞄から亮へのプレゼントを取り出す。
もう、たくさんの人から言われてるだろうけど…
「誕生日おめでとう。 それから…生まれてきてくれてありがとう。」
「留架…」
ベッドに腰かけていた亮は、立ち上がると、俺が差し出すプレゼントを受け取り…俺を抱きしめてきた。
「たくさんの人に言われたけど…今のが一番嬉しかった。 ありがとう。」
ひどく嬉しそうな亮の声。
俺まで嬉しくなっちゃって、亮の背中に腕を回し、ぎゅうっと抱きついた。
「開けてもいい?」
「…うん。」
二人並んでベッドに腰かけ、亮は俺に断りを入れてから、大切そうに包みを開け始めた。
「これ…」
「ごめん…ネクタイピンなんて、たくさんもらってるよね? これくらいしか思い浮かばなくて…」
小さな箱に入ったネクタイピンを取り出し、亮は嬉しそうに微笑むと、短いキスをしてきた。
「プレゼント何にするか、いろいろ考えてくれたんだろ? それが嬉しいよ。 留架にもらったネクタイと一緒に着けるね。 ありがとう。」
よかった。 喜んでくれたみたいだ。
何気に一番心配していたことだったので、ほっと胸を撫で下ろす。
「ねぇ…留架。」
「ん? なに?」
俺を抱きしめながら、少しだけ遠慮がちに口を開いた亮。
なにか…言いにくいことでもあるのだろうか。