恋ばか
第42章 番外編~永遠の愛を~
「父さん、その格好…」
「さあ、行くぞ。」
俺が質問する前に、大きな扉の前に立ち、腕を組ませてきた父さん。
次の瞬間、目の前の扉がゆっくりと開いた。
「っ!?」
………は? なに、これ…
扉の向こうに広がった景色に、俺は呆然としてしまった。
だって…
「「おめでとうございます!!」」
昨日、亮の誕生日パーティーに参加していた人達…に加え、有名な会社の会長や社長が、満面の笑みを浮かべ、拍手をして俺を歓迎してくれていたから。
しかも、ここは…
「…チャペル…?」
え…どういうこと…?
「!! 亮…」
視線を少し先に移すと、神父さんの前に亮が立っているのが見えた。
そして、流れ出す結婚式お決まりの音楽。
「父さん、これって…」
「ほら、何をぐずぐずしているんだ? お前の大切な人が待ってるぞ?」
なんでこんなことになってるのか、誰か説明してよー!!
なんて、俺の虚しい叫びを誰かが聞いてくれるはずもなく、父さんに少し引っ張られる形で、一歩ずつゆっくりと歩き出す。
「おめでとうございます!!」
「おめでとう。」
いろんな人から祝福を受ける。
いやいや。 これ、どういうこと?
まず、それを説明してよ。
「……春架…」
進んで行くと、演奏している春架が見えてきた。
最前列には、お祖父様、綾音、静架、境、空、ニック、リチャード…それと、三神と湊さんが。
反対側の席には、亮のご両親と、祖父母。
「みんな…」
なんでここに…っていうか、ほんとに、なにがどうなって…
「留架。」
「……亮…」
前まで行くと、亮が手を差し出してきた。
父さんは俺と組んでいた腕を離し、亮の手を取るようにと、目で言ってきた。
「……って…カズ!?」
「二人とも、おめでとう。」
神父の前に行ってさらにびっくり。
だって、神父がカズだったんだ。