
恋ばか
第42章 番外編~永遠の愛を~
「あれ? 部屋、こっちじゃないよね?」
「あってるよ?」
昨日使った部屋とは、別の方向に歩き出した亮。
てっきり、同じ部屋に戻るのかと…
「今日使うのは、ここ。」
「?」
着いたのは、昨日と同じスイートルーム。
部屋の構造は同じはずだから……シーツとか、他の片付けのことを気にして部屋を変えたのかな…?
なんて、思ってたんだけど…
「…ぅ…わ…」
部屋に入ってびっくり。
「いい香り…」
「気に入ってもらえてよかった。」
ベッドの上に、大量のバラの花が散りばめてあったから。
これ…もしかして、亮が…?
「亮……これ…」
「俺からのプレゼント。」
亮はそう言うと、驚いている俺を優しくベッドに降ろした。
ベッドに降ろされると、バラの香りに包まれる。
目測でしかないけど…百本近くあるんじゃないかな…?
「プレゼントって…もう、返してもらったよ?」
「留架は、俺にプレゼントを三つくれただろ? だから、俺も三つお返しするよ。」
まぁ…そもそも、誕生日プレゼントなんだから、お返しなんていらないんだけどね…
なんて考えていると、亮が一本バラの花を手に取り、すっと俺の耳にかけてきた。
「一つ目は、さっきの結婚式。 二つ目は、このバラ。」
俺の頬を優しく撫で、唇が触れそうなくらいの距離まで顔を近づけてきた亮。
「ねぇ…留架。」
「な、なに?」
それだけでドキドキしちゃって……少し緊張しながら亮に返事を返すと、亮は「ふっ。」と小さく笑った。
「バラは…贈る本数で意味が違うって知ってる?」
「…え? う、うん…」
そのことは知ってるけど…細かい意味までは調べたことがない。
覚えていられる気がしないし。
