テキストサイズ

恋ばか

第8章 ~親友、そして再会~

「ああ…」

亮はその答えに満足そうに頷くと、黒澤さんに向き直った。

「荷物は送ってやるから、五十嵐と一緒に帰れ。」

「しかし…」

黒澤さんは納得いかないようで言葉を濁した。

「後の事は心配しなくても平気だよ。 親父には話つけとくし、新しい世話係はもう決めてあるから。」

「え?」

そう言うと、亮は俺をグイッと引き寄せた。

「うわっ、亮!? んんっ!!」

唇を離すと言葉を続ける。

「こいつ。  新しい世話係。」

あまりの事に一瞬の沈黙。

「「はあ!?」」

今まで黙っていた境もこれには驚いたようで、俺と見事にハモりながら声を上げる。

黒澤さんはというと、突然の事に驚いた様子で亮を見た後、満面の笑みを浮かべた。

「承知しました。 では、お言葉に甘えさせていただきます。」

(ええっ~!? 止めろよ!! そこ、止めるべきだろ!?)

一人、心の中で叫んでいると、亮は黒澤さんの答えに満足げに頷き、話し掛けてきた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ