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恋ばか

第9章 ~婚約~

「…なんだよ…いいとこだったのに…」

「バカ!!」

俺が慌てて亮から離れると、境がにやついたまま話しかけてきた。

「急にいなくなったと思ったら、小原君といちゃつくためですか?」

「ち、違っ!! お前が黒澤さんと目の前でいちゃつくからだろ!!」

すると、今度は境が真っ赤になって言い返してきた。

「お前が俺をはめたからだろ!!」

「なっ!!」

俺が言い返そうとした時、突然携帯が鳴りだした。

「ちっ…誰だよこんな時に…」

携帯を開いてみると、春架からの電話だった。

「おっ…春架からじゃん。 かなり久しぶりなんじゃない?」

「境…勝手に人の携帯見るなよ…」

呆れ半分で言うと、境は苦笑いして軽く受け流した。

「五十嵐も、その春架って子の事知ってるのか?」

俺達の会話を聴いて、亮が割り込んできた。

「あぁ…知ってるもなにも留架の弟だからね。 知ってて当然でしょ?」

「弟…?」

亮が驚いて目を見開く。

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