
どらくえ3
第1章 旅立ち
アベルは町の中心にあるお城に向かって歩き始めた。
アリアハン王国は、アリアハン大陸にある。
気候は比較的穏やかで、魔物達もさほど気性は荒くない。
人口は他の大国に比べればさほど多くない。
経済、商業、工業が発展しているわけでもなく、名産もない。
主な産業は農業ということになる。
つまり、田舎だ。
田舎が悪いわけじゃない。
町の人達は優しいし、助け合って生きている。
王様も町の人達と近い。
この町はみんな家族みたいなものだ。
列強と呼ばれている国々は魔王の襲撃を受けて、大きな被害を受けたり、滅んでしまった町や村もあるという。
その中でアリアハンは田舎であるがゆえにまだ直接的な襲撃を受けていないのかもしれない。
「おっ、アベルおめでとう!」
「ついに旅に出るのか!」
「アリアハンいちのやんちゃ坊主がたいしたもんだ!」
俺が正装で歩いていると町の人達が声を掛けてくれる。
評判は気にしない。
「ほら、持ってけよ」
果物屋のおっちゃんがリンゴを投げてくれた。
俺は笑って受けとる。
俺の回りには同年代の仲間が集まってくる。
「アベル兄ちゃん、おめでとう」
「似合ってるじゃねぇか、頑張れよ」
「いかないでよ~」
などと騒ぎながらお城の門までついてきた。
みんないつも一緒に遊んで育ってきた仲間だ。
門の前で警備をしている若い兵士に挨拶をする。
「おはようございます、王様に挨拶にきました!」
兵士はニヤッと笑って言う。
「よく来たな、悪坊主!いや今日から一人前だな。王様がお待ちかねだぞ!」
この兵士とは顔見知りだった。
昔、俺が仲間と一緒に、スライムが落とし穴に落ちるか実験をしたとき、見事にスライムの子供が穴に落ちたのだが、親父スライムが怒って助けにきてしまった。
俺達が親父スライムにやられそうになったところを助けに来てくれたのが、この兵士だったのだ。
(いや、その、スライムの子供には悪いことをしたと思ってる。)
この兵士はその後も俺達の面倒を見てくれて兄貴のような存在だった。
名前はイース。
こうして俺はイースに取り次いでもらって王様の待つ部屋に通されたのだった。
アリアハン王国は、アリアハン大陸にある。
気候は比較的穏やかで、魔物達もさほど気性は荒くない。
人口は他の大国に比べればさほど多くない。
経済、商業、工業が発展しているわけでもなく、名産もない。
主な産業は農業ということになる。
つまり、田舎だ。
田舎が悪いわけじゃない。
町の人達は優しいし、助け合って生きている。
王様も町の人達と近い。
この町はみんな家族みたいなものだ。
列強と呼ばれている国々は魔王の襲撃を受けて、大きな被害を受けたり、滅んでしまった町や村もあるという。
その中でアリアハンは田舎であるがゆえにまだ直接的な襲撃を受けていないのかもしれない。
「おっ、アベルおめでとう!」
「ついに旅に出るのか!」
「アリアハンいちのやんちゃ坊主がたいしたもんだ!」
俺が正装で歩いていると町の人達が声を掛けてくれる。
評判は気にしない。
「ほら、持ってけよ」
果物屋のおっちゃんがリンゴを投げてくれた。
俺は笑って受けとる。
俺の回りには同年代の仲間が集まってくる。
「アベル兄ちゃん、おめでとう」
「似合ってるじゃねぇか、頑張れよ」
「いかないでよ~」
などと騒ぎながらお城の門までついてきた。
みんないつも一緒に遊んで育ってきた仲間だ。
門の前で警備をしている若い兵士に挨拶をする。
「おはようございます、王様に挨拶にきました!」
兵士はニヤッと笑って言う。
「よく来たな、悪坊主!いや今日から一人前だな。王様がお待ちかねだぞ!」
この兵士とは顔見知りだった。
昔、俺が仲間と一緒に、スライムが落とし穴に落ちるか実験をしたとき、見事にスライムの子供が穴に落ちたのだが、親父スライムが怒って助けにきてしまった。
俺達が親父スライムにやられそうになったところを助けに来てくれたのが、この兵士だったのだ。
(いや、その、スライムの子供には悪いことをしたと思ってる。)
この兵士はその後も俺達の面倒を見てくれて兄貴のような存在だった。
名前はイース。
こうして俺はイースに取り次いでもらって王様の待つ部屋に通されたのだった。
