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どらくえ3

第3章 ナジミの塔

―最上階か。
4階に上がったアベル達を待ち受けていたのは、下の階とは全く異なる空間だった。絨毯が敷かれ、壁には絵画もかかっている。
「誰じゃ」
奥から老人の声がした。

アベル達が声のした方へ歩いていくと、大きな机に書籍が山積みになっており、椅子に掛けた小柄な老人が座っていた。
老人は机に開いた本から顔を上げず、アベル達を見ようともしない。

「あの、俺はアベルといいます。俺達はここにアリアハンから出る手掛かりがあると聞いてきました。盗賊の鍵があるとも。」

老人は動かずにアベルの顔を目線だけ動かして見た。
アベルの顔、そして目の奥を覗き込むようにしばらく見つめる。
そして老人は微笑んで言った。
「よく来た。わしは鍵職人。アリアハンを旅立つためには、盗賊の鍵が必要だ。これを持って行くがいい。」
そう言うと、自らの首に掛けていたネックレスから、鍵を取り外して差し出した。
「これを使えばだいたいの扉の鍵が開けられる。欲しがる奴も多い。盗まれないようにな」

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