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恋心

第18章 rainbridge

太一を見上げながら
あたしは…時が逆送しながら
あの…雨の日を
思い出していた。甘い甘い幼すぎた恋を…


太一は

『アンナ…僕…』


携帯が言葉を遮り

一時停止の動画がゆっくりと
動き出すように
あたしは、会釈し
通りすぎた

太一は、スリムなスーツに手を入れ
窓越しを飛ぶ
鳩を見上げながら
窓にうつる
アンナの影を追った。

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