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恋心

第10章 呼吸

甘い息
吸い付く様な肌
貴女が好きだ。

夏の暑さでメットから流れる汗
交差点に捕まり
苛つく俺は…バイク便のアルバイター

白く揺れるワンピース
揺れる日傘
隣に居るのは…旦那?

溢れんばかりに笑う貴女が
眩しくて…
俺には向けないその笑顔を
見てると頭が痛い…

メットから流れる汗と
脱力感やぶつけようのない怒り
アクセルを回し

揺れるワンピースの後ろ姿を
見送った。


真実を知ることが…すべてじゃない


誰か言ってたっけな。



あーたまんない
こんな日に仕事続けらんない


俺は…さっさとバイク便を走らせた。

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