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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第7章 麻痺する違和感

美保side

事務所から帰って来たのは21時過ぎだった。
キミからの着信を何度も確めてしまう。

年末に向けて彼のスケジュールは殺人的に忙しい。

そんな時にこんな事まで…

近くで支える事さえできない。

映画の台本に目を通したり

お風呂に入ったり

なるべくふつう通りにすごした。



頭の中では常に携帯をきにしてるくせに。

しばらくして、電話がなる。

キミからだ。


とにかくふつうに

とにかくいつも通り。

深呼吸して電話に出る。


「お疲れ~」

キミもふつうにしてくれる。

二人は自分たちの事には触れず、まるで他人事の様に話す。


大丈夫じゃない二人は大丈夫の振りをする。


この仕事を始めてからは、いつだってそうやって

納得なんて


全然してないのに。

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