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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第8章 距離と隙間

キミは電話を毎日くれていたけど、
超多忙で、メールだけのやり取りの日もあった。

あたしも映画の撮影に入っていた。

にのはこっそり

「大丈夫?」とか聞いてくれたけど、

「うん。ありがとう」って返すことしか出来なかった。

毎日、毎日マンションの前で週刊紙に張られてる。

どーやっても逢えるわけがない。

イベントに出ると必ず聞かれるキミのこと。

笑顔で何も答えない。

ホントのあたしは何処にもいない。

キミから電話が来る。

「今日、イベントだったろ?大丈夫だった?」

「大丈夫!!大丈夫!!笑顔でノーコメ決め込みましたよw」

「そっか!なら良かった!」

些細な言葉が刺さる。

「そーだね。『良かった。』よね!」

そんな積りで言ってない事くらい分かってるのに、逢えないと言うイラ
イラに言葉に棘が出てしまう。


「なんだよ。辛いのはお前だけじゃないだろ。」

お互いを思いやる気持ちがちょっとずつすれ違う

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