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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第8章 距離と隙間

昼前に家を出る。


特番のMCの仕事だ。


デレクターとアシスタントの女子アナとの打ち合わせ中、デレクターが席を立ち女子アナと二人になった。



「櫻井さん、お忙しいですねーストレスたまりませんか?」



「ハハ、まぁ、でも、有難いよ。」


俺は、台本を見ながら無難な返事を返す。


「恋愛とかは?」


「え?あぁ。ん~どうかな?ww」


適当に濁す。

「連絡先とか、交換しませんか?皆で飲みません?あたし、完全個室とかの美味しいお店とか知ってるんで」


グイグイ来るな。
とは思ったけど、今から一緒に仕事するんだしってホントに軽い気持ちで


「あ、ホントに?飯屋教えてよ。俺殆どスーパーの半額シールの刺身で晩酌だからさ~」


「え~ダメでよぉ~スターがそんなんじゃ!」


連絡先交換した。



完全に俺に隙があったんだろうな。

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