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同じ場所~君と僕の見ている風景~

第9章 時間

にのは、慌ててあたしなの腕掴んで人気の無い非段階段に連れて行ってくれた。

「ちょっと、ここ居てな。」

少しすると戻って来た。

「ほら。」


にのがタオルとお茶くれる。


「フフフ…タオル…」

少し和む


「なんだよ。キレイなやつ探して来てやったんだぞ!」


わざとキレ気味に言って笑わせてくれる。


「アハハ!ありがとう…」



「タオルで涙ふけ!」


「うん。」


「まぁ、不安なんだよな。」

「………」

「逢えてないんだろ?」

「……まぁ…ね。逢えないのは今の状況じゃ仕方ないんだけど…電話も中々ね。さっきも電話久しぶり出来たのに、喧嘩しちゃって…」


「翔ちゃん俺に会うと美保ちゃんの様子聞いて来るぞ。今、近くにいてやれない事気にしてと思うよ」

「そうかな…」


「なぁ。おまえら逢えよ。」

「今は無理だよ。次写真撮られたらまた色んな人に迷惑かけちゃう。翔ちゃんの仕事にも影響しちゃう。」


「来週さ、俺ら撮影札幌じゃん?ツアーが一日被るんだよ!そん時逢えよ!俺が段取りしてやるから。」


「にの……何でそんなに…」

言い終わる前に

「この前、俺は乗り越えられなかったって言ったじゃん?もう昔の事だけど、俺多分今でも、どっかで物凄い後悔してんだよ。後はまぁ、メンバーには幸せになって欲しいじゃないですか!」

そう言って、あたしの頭をくしゃくしゃとする

貴方の様な人間になりたい。


ここ数ヶ月の荒んだ心が

軽くなった。

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