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空と太陽

第8章 冬、友達。

―――放課後


「はやく帰れ〜」


 ずっとテンションが低い未歩と空


 靴箱にはたくさんの生徒がいた


「おい中村」


 大空先生が空を呼び止める


「なんです……!!!!」


 空は桜井がずっとこっちを見ているのがわかった

 怖くて固まっていると


「空?」

 大空先生が名前をよんで
 頭を軽く叩いてきた


 嬉しい
 嬉しい
 嬉しい


 でも、ダメ


 「さよならっ」


 急いで外に出た

 未歩と由宇を危険なめに
 あわせたくない

 泣きながら、走った


 家についたら
 自分の部屋に閉じ籠った


 枕に顔をうずめて
 声を押し殺して泣いた





 どうしたらいい?


 そんなの決まってる


 先生を嫌いになればいい


 好きになってはいけない人だったんだ


 先生と生徒。


 叶えてはいけない


 思ってはいけない


 諦めるんだ


 私が諦めたら


 先生を嫌いになって


 先生と普通に接して


 先生のお気に入りから
 はずれて


 桜井さんも満足して


 未歩も由宇も
 何もされなくなる













 嫌いになるんだ







 次の日、未歩は学校に来なかった


 空は、脚の震えが止まらなかった



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