空と太陽
第10章 夕日、校舎裏
朝が憂鬱でたまらなかった
吐き気さえした
でも、行った
昼休みは校舎裏に
行かなかった
怖くていけなかった
空に勇気はなかった
放課後、普通に靴箱に行くと
「中村っ」
「竹田!?」
竹田は同じクラスの
優しい男の子だ
密かに女の子に人気だ
「中村、昼休みなんで
来てくれなかったの?」
ちょっと寂しそうに言う
「えっあれ竹田だったの?」
空はビックリした
桜井だと思っていたから
「なんか用あったの?」
にこっと微笑んで聞くと
竹田は顔を赤くして
「ちょっと来てっ」
空の手を引っ張って
校舎裏につれていった