テキストサイズ

二十歳になれば

第1章 プロローグ



しばらく彼とメッセの交換をして、彼もかつての私と同じ苦しみの中にいることを知った。


そして私自身の経験や、今の生活のことも少しばかり話した。


『時計が動き始めるまでに、10年もかかるんですか?』


「それは、人それぞれだよ。時計は動き始めても、私は未だに忘れることができない」

彼と私の最後のメッセだ。


結局、彼の依頼を受けて玲菜という女性には申し訳ないけれど代理でメッセを送った。


そして、その時にはすでに彼は退会しており、直メでも連絡は取れなくなっていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ