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秘書のお仕事

第5章 鬱憤の種



社長室に戻ると、扉が開いていた



もう、社長も帰って来たのかな…



なんて思いながら、ノックもしないで部屋に入った




『…』




接客用のソファーに、見たことのない女性が座っていた


足を組んで背筋を伸ばし、その気品溢れる雰囲気に
ただ者ではないなと思った





『…こんばんは』




どうせお客様だろう、と挨拶をしてみると
あたしは女性にものすごい剣幕で睨まれた


あたしはついつい後ずさる



「あなた、誰?」



『えっと…あたしは…』



秘書です
と言おうとする前に、女性はあたしの前まで寄り
そのまま服を掴んできた



『え、え?』



「まさか陽介に言い寄ってるんじゃないでしょうね
もしそうなら、許さないんだから」



どっひゃー

陽介って社長のことですか!?


言い寄るだなんてめっそうもない!!





『わ、私は菊地社長の秘書でございますです!!』



慌て過ぎて変な日本語になってしまった




「嘘おっしゃい!!」



何でーーー!!?




とそのとき、
「何してるんだ?」


と後ろから声が聞こえた




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