
秘書のお仕事
第5章 鬱憤の種
あたしはこの鬱憤をどこかへぶつけることも出来ず
自分の席に座って貧乏揺すりをしていた
もちろん、考えているよ
社長をどうやって陥れるかってのはね
「ふう…」
そんなため息が聞こえ、振り返ると
もう社長が戻ってきていた
気だるそうにネクタイを緩め、ドサッとソファーに座り込む
『ヤり疲れましたか?』
皮肉を込めて、そう言ってやった
「まさか」
嘲笑うような社長の横顔が見え、少しだけ負けた気分だった
『あ、それで、スケジュール立てましたよ!!』
あたしにだって出来るんだ
というところを見せびらかしたくて
あたしは作成したスケジュールを社長のところまで持っていった
社長は紙を受け取ると、目を通した
「…」
『どうです、どうです?』
「作り直しだ」
『ええ!?』
社長は雑に紙を投げ捨てる
あ…あたしの努力の結晶がぁあああ!!
床にパサッと落ちた紙を拾おうとした時だった
突然腕を掴まれ、ソファーに押し倒されてしまった
『なっ、ちょっと…!!』
「これくらいのことも簡単にこなせないとはな…お仕置きだ」
社長の唇が、大きくあたしにかぶさってきた
『んんっ…!!///』
あたしの足は社長の足に乗っかってしまっていて
けれど上体はソファーに寝かされ
しかも上からキスされてるときたもんだから
身動きが取れなかった
