秘書のお仕事
第6章 仕返し
『な、何で笑うの!?』
「いや、わりーわりー、ってか復讐って何すんの?」
『羞恥の奈落に突き落とす』
「ぶははは!!」
また笑われた
『何で笑うのー!?』
「だって千晴の顔が…ど真剣だから…くくくっ」
涼はお腹を抱えて笑っている
あたしは、机に肘をついてその様子を眺めた
「で、千晴はそのセクハラ行為が嫌なわけ?」
あたしは黙って頷いた
「ほんとに、それだけか?」
『…』
当たり前じゃん、と言う前に、涼のその言葉で考えさせられた
最初はもちろん、それが嫌だった
でも…
『あ』
「何?」
『社長さ、女には困ってないくせにあたしに構うから嫌だ』
「裏を返せば、自分を構っているのに他の女に手を出すから嫌ってこと?」
『へ?』
涼はニコッと笑った
「どうなんだよ?」