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BL~中編・長編集~

第5章 ~愛してなんて言わない~

「・・・・・」

懐かしい夢を見たな・・・

ベッドから起き上がり、洗面所に向かいながら夢のことを思い出す。

「ふぅ・・・」

東京に出てきてもう7年が経つ。

「まだ引きずってんのかな・・・?」

あの頃より成長したけど、まだ彼のことを忘れてなかったんだな。

「初恋って案外引きずるんだな・・・・」

身支度を整え、家を出る準備をする。

時計を確認すると、そろそろ出ないとまずい時間だ。

「行ってきまーす。」

返事が返ってこないことはわかってても、癖で言ってしまうこの言葉。

無人の部屋から出ると、仕事に向かう。

既に外は夕日でオレンジ色に染まっていた。

「・・・・」

駅は、家に帰るサラリーマンやOLでごった返していた。

僕がやってる仕事はきれいなものではない。

世間一般の人たちから見たら、汚れている仕事なのかもしれない。

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