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BL~中編・長編集~

第5章 ~愛してなんて言わない~

「おはよーございます。」

いわゆる、夜の仕事だ。

しかも、来るお客さんはみんな男。

「あ、サクマさん。 おはようございます。」

「おはよう、カズヤ君。」

自分は同性愛者なんだと、高3の時に自覚した。

男しか相手にできない身体を持て余して、この店に行きついたのが2年前。

「おーい、湊。 お客さん。」

「店長・・・いい加減、本名で呼ぶのやめてくださいよ。」

僕の名前を呼びながら更衣室に入ってきたこの人は、この店の店長である三浦 武史(みうら たけお)さん。

「だって、いい名前じゃないか。 小内 湊(おさない みなと)。」

「そうかもしれませんけど、今はサクマ(源氏名)です。」

蝶ネクタイを締め、ため息をつきながら店長にそう言った。

「はいはい。 じゃあ、行ってきてね。 湊。」

「店長!!!」

店長は名前の部分をやけに強調してそう言うと、事務所の方に入ってしまった。

「はぁ・・・・」

僕、からかわれてるんだろうな・・・・

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