テキストサイズ

BL~中編・長編集~

第5章 ~愛してなんて言わない~

僕が質問に答えられないでいると、カズヤ君が気を遣って話題を変えようとしてくれた。

「どうして・・・」

「好きな人がいたからです。」

それを遮って僕は話した。

「東京に?」

「いえ、地元にです。」

僕が過去のことを話しているのに驚いたみたい。

カズヤ君は僕のことを唖然として見ていた。

「じゃあ、どうしてこっちに?」

「・・・その人のことが好きすぎて・・・・・この気持ちが溢れだす前に、その人の目の前から消えようと思って・・・」

結局、こうして会ってしまっているけど・・・・

「・・・今でもそいつのことが好きなのか?」

僕の話を聞いて、畔田君がそう聞いてきた。

好き━━━・・・・

「・・・はい。 まだ好きだと思います。」

「・・・・」

いや、違う。

僕はあの頃の君に恋をしてるんじゃない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ