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BL~中編・長編集~

第5章 ~愛してなんて言わない~

お金を持って、一人でホテルを出る。

本当に、僕らは体だけの関係だと思い知らされる瞬間。

「畔田君・・・」

僕、この気持ちどうすればいい?
君と一緒にいればいるほど、君のこと好きになるんだ・・・

でも、それに比例して、虚しさも日ごとに増していく。

「とりあえず、店に戻ろう・・・」

ホテルから店はそんなに遠くない。

10分もあれば着く距離だ。

「店長も・・・まだいる時間だよね。」

まだ7時前。

店長はたぶん、店を閉める準備をしているだろう。

でも、一応急ごう。

「よかった・・・店長まだいるみたい。」

店の扉には『CLOSE』って書いてある札が下がってたけど、カギは開いていた。

「店長・・・・いますか?」

「おや。 どうしたんだい、湊。」

事務所の扉をノックすると、店長が出てきた。

「あの、昨日のお金です。」

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