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BL~中編・長編集~

第5章 ~愛してなんて言わない~

そう思って、僕は畔田君を突き飛ばした。

「どうしてこんなことするんですか? 僕なんて、ただの性欲を処理するための道具でしかないのに・・・こんなことされたら・・・・」

これ以上は・・・・

「もう、あなたへの気持ちが隠せなくなるっ・・・」

「俺への気持ち?」

気が付いたら、僕は涙を流していた。

「・・っ・・・・好きなんですっ・・・あなたのこと・・・・」

「え?」

あぁ・・・とうとう言っちゃった。

「本当にっ・・・・どうしようもないくらい・・・ッ・・」

これで本当に、畔田君に嫌われちゃったかな・・・

でも、この気持ちを告白したこと・・・後悔はしてない。
長い間隠していたこの気持ちを口に出したことで、心なしかスッキリした。

「すいません・・・・気持ち悪いですよねっ・・・」

畔田君は、しばらくの間何も言わなかった。

「・・・好き? 本当に?」

沈黙が続いた後、畔田君の口から出てきた言葉は、僕が想像していた拒絶の言葉ではなかった。

「・・・・っ・・はい。」

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