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BL~中編・長編集~

第5章 ~愛してなんて言わない~

「だって、そうじゃないですかっ・・・・畔田さんには彼女もいるのに・・・」

「は? 彼女?」

僕の言葉に首を傾げる畔田君。

「俺、彼女なんていないけど。」

「ぇ? で、でも、この間一緒にホテル街に・・・」

あの日のことを思い出したのか、畔田君は納得したように頷いた。

「あぁ・・・あれはな、あいつの家に行くにはあそこを通り抜けるのが近道だから通ったんだよ。 あいつの結婚式の打ち合わせするためにな。」

「ぅ・・・そ・・・・」

じゃあ、あれは・・・・彼女とホテルに行くためじゃないの?

本当の話を聞いたら全身の力が抜けて、僕は地面に座り込んだ。

「お、おい・・・」

座り込んだ僕を見て、畔田君は心配そうに声をかけてきた。

「じゃあ、僕・・・・」

「え?」

畔田君のこと・・・・

「あなたのこと、好きでいていいんですか?」

「あぁ・・・・」

僕の言葉に、畔田君は嬉しそうに微笑んだ。

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